通信制高校の豆知識が知りたい!どういう勉強をするの? 更新時間 2023.01.24
通信制高校とは、「通信教育」を受けながら卒業を目指す学校のことです。
しかし具体的にどんな授業を受けるのか、全日制高校とどう違うのかが、イマイチわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、通信制高校の勉強方法やスクーリング、卒業するための仕組みについて徹底解説していきます。
通信制高校への入学を検討されている方、お子さんが通信制高校を希望されている親御さんは、ぜひ参考にしてください。
通信制・全日制・定時制高校の違いを比較
通信制高校とは、全日制高校のように毎日登校せずに、自分で学習を進めて卒業に必要な単位を習得する学校です。
近年では通信制高校に進学する生徒が急速に増えており、多様性に富んだ通信制高校も増えています。
在学中に資格が取れたり、ファッションや声優などを専門的に学べたり、さらに大学受験に特化したコースを持つ通信制高校もあるほどです。
まずは通信制高校を理解するために、「通信制・全日制・定時制高校の違い」について解説していきましょう。
入学時期
- 通信制高校 ・・・ 4月と10月、もしくは随時可能
- 全日制高校 ・・・ 4月のみ
- 定時制高校 ・・・ 4月のみ
小・中学校のように、全日制や定時制高校では4月入学が一般的です。
一方、通信制高校では「4月」と「10月」の年2回を入学時期としているケースが多く、学校によっては通年を通して入学を許可しているところもあります。
通学スタイル
- 通信制高校 ・・・ 週1〜5日の選択制、もしくは年に数回程度
- 全日制高校 ・・・ 週5日の登校
- 定時制高校 ・・・ 週5日の登校
通信制高校の特徴ともいえるのが、必要に応じて、もしくは生徒個人の希望に合わせて通学する仕組みです。
そのため不登校で学校に通えない生徒や、病気などを抱えている人が集まりやすく、何かしらの障害があっても卒業しやすくなっています。
同じ通信制高校でも「公立」と「私立」では通学スタイルが変わり、公立が月に2回の日曜日に学校へ行くスタイルなのに対し、私立では週1〜5回、年に3〜6日のみという通学スタイルがとられています。
授業時間
- 通信制高校 ・・・ 1コマ50分程度で半日のみ(学校により異なる)
- 全日制高校 ・・・ 9時〜16時頃まで
- 定時制高校 ・・・ 夕方〜1日4時間ほど(午前・午後の学校もある)
- 通信制高校 ・・・ 単位制
- 全日制高校 ・・・ 学年制(まれに単位制)
- 定時制高校 ・・・ 学年制or単位制
通信制高校の授業は半日のみが基本で、選択コースによっては1日かけて授業をする学校もあります。
それに対し、全日制は1日6時間ほど、定時制高校は1日4時間ほどの授業時間となっています。
通信制高校や定時制高校には働きながら学校に通っている人、芸能人・アイドルとして活動している生徒も多く、両立が可能なスケジュールが組まれているのが特徴です。
単位制と学年制
単位制と学年制の違いについては、通信制高校の仕組みを理解する上で大切なポイントです。
どの課程においても、高校卒業の資格を取得するには「必要な単位の習得」が必須になります。
学年制は、学校によって決められた「基準以上の成績」と「出席日数」を満たすことで進級し、3年間の学習修了と同時に卒業を迎える仕組みです。
1学年ごとに必要な単位が決まっており、学年の終わりにすべて取得していなければ進級できません。
一方で単位制の場合は、「1学年ごとに必要な単位数」の規定がなく、1年間で習得したい単位を自分で決められます。
生徒の学習ペースや体調、学業以外のことと両立させながら卒業を目指せるようになっているのが、単位制を採用している通信制高校の特徴といえるでしょう。
全日制と定時制の違いについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校も選択肢として考えたい!全日制・定時制との違いとその魅力とは」を参考にしてみてください!
通信制高校の勉強方法と仕組みについて
次に、通信制高校の勉強の仕方や、単位修得のしくみについて解説していきます。
まず覚えておいてほしいのは、通信制高校の学習は、以下の3つの構成から成り立っているということです。
- レポート
- スクーリング
- テスト
では、それぞれどんなことをするのか、詳しく説明しましょう。
レポート(添削指導)の提出
通信制高校は自宅での「自主学習」が基本です。
多くの私立校では、オンライン授業や動画をみながらの学習なども行われていて、わからないことはメールや電話で確認することもできます。
学校から配られたレポートを、教科書などを参考に問題を解いていき、理解度や学習の進み具合を学校側が把握するという流れです。
レポートは論文のような形式ではなく、問題集のようなプリントをイメージするといいでしょう。
提出したレポートは先生によって添削され、間違った問題を復習するのが1つのサイクルです。
レポートの数は1週間に2〜3枚ほどで、25単位を習得したい場合は、年間70枚前後の課題を送付する必要があります。
スクーリング(面接指導)する
スクーリングとは、学校に登校して対面で授業を受けることを指します。
普段、自宅で学習していることが多いので、わからない問題を質問したり進路を相談したりする機会となっています。
スクーリングの日数や授業のスケージュールは学校ごとに異なりますが、高校を卒業するためには決められたスクーリング時間を満たさなければなりません。
レポート提出とスクーリングをこなすことが、通信制高校に通う学生の日常となっています。
テスト(単位認定試験)を受ける
単位認定試験とは、高校卒業のための単位習得に必要な最終テストです。
この試験を受けるには、科目ごとのレポート提出とスクーリング日数を満たしていることが条件になります。
テストは年度末に1回のみの実施となり、難易度としては比較的易しいです。
日頃のレポートをきちんとこなしていれば、テストをクリアすることは十分に可能です。
またテストの点数が基準に満たなくても、追試や補習で単位が認定されるケースもあります。
通信制高校での学校生活
通信制高校の学校生活は、全日制高校とはまったく違うためイメージがむずかしいですよね。
本章では、スクーリングの日の大まかなスケジュールや学校生活をご紹介します。
登校時間は全日制高校より遅めで通いやすい
通信制高校の1限目の授業は、9時半〜10時ごろにスタートします。
通勤ラッシュと重ならないので、人混みが苦手な人や、朝が弱い人でも通いやすくなっています。
スクーリングがない日は自分でスケジュールを組むため、規則正しい生活リズムを作ることが大切です。
午前中や午後の半日授業が多い
通信制高校の授業時間は1コマ40分〜50分で、午前のみや午後のみの半日で終わることがほとんどです。
ただし専門コースを選択している場合は、午前中に基本授業を受け、午後から専門課程の授業を受けることもあります。
また大学進学コースでも、5〜6限目までスケジュールが組まれており、大学受験に向けた授業を行なっています。
通信制高校のリアルなスクーリングについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校のスクーリングはどんなことをするの?リアル通信制高校生のスクリーングに密着」を参考にしてみてください!
通信制高校へ入学するには
通信制高校の仕組みや勉強方法がわかってきたところで、次は入学する方法についても紹介したいと思います。
進学においては、全日制高校と異なることが多いので、よく調べておくことをおすすめします。
通信制高校の受験資格
通信制高校に入学するには、「中学校を卒業見込みの人」もしくは「中学校を卒業した人」が条件です。
また年齢制限はなく、すでに高校を卒業していなければ、何歳からでもチャレンジできるようになっています。
通信制高校には年齢も経歴もさまざまな人が集まるため、全日制高校ではなかなか経験できないような出会いにも期待できるでしょう。
通信制高校の入試では学力より面接重視
通信制高校にも入学試験がありますが、学力テストがない学校もあります。
基本的には書類選考と面接、作文などで合否を判断しますが、学力で不合格になることはほとんどありません。
通信制高校は「高校で勉強がしたい」という学生を受け入れることに重きを置いており、意欲や志望動機を問われることが多いです。
面接を受ける際には、学校で何をしたいか、どんな学校生活を送りたいかを考え、伝えるようにしてみてください。
通信制高校を卒業するための3つの条件
通信制高校を卒業するための条件は、以下の3つです。
- 3年以上高校に在籍する
- 74単位を修得(必履修科目を含む)する
- 30単位時間以上の特別活動に出席する
先述した通り、通信制高校の学習の基本は「スクーリング」と「レポート提出」です。
毎日コツコツと学習を進め、単位認定試験をクリアする必要があります。
毎日登校する必要がない通信制高校は、自分を律する気持ちがなければ不規則な生活を送ってしまいがち。
中には自己管理ができずに、何年経っても卒業できない生徒も少なくありません。
通信制高校に通う目的は、「高校卒業の資格を取得すること」です。
学習スケジュールをこなせるよう自己管理をきちんと行い、日々の学習に取り組むようにしましょう。
通信制高校の勉強内容は全日制高校とほぼ同じ
通信制高校も全日制高校も、基本的な授業内容に大きな差はありません。
また私立・公立に関係なく、卒業資格を得るための授業を中心に学習を進めます。
加えて、中学時代の学習に不安がある場合には、個人の理解度に合わせて中学レベルの見直しをしてくれる学校もあります。
「高校卒業資格」は全日制も通信制高校も同じなので、就職や大学進学で不利になる心配はないでしょう。
通信制高校に進むべきか、どのような学校を選ぶべきなのか、進路は迷いの連続といっても過言ではありません。
自分にとって通信制高校はどんなメリット・デメリットがあるのかを理解し、たくさんの選択肢の中から進路を決めていきましょう。
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「今知っておくべき!通信制高校の現実|8つのメリットとデメリット」を参考にしてみてください!